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岩手県盛岡市 神山神社 例大祭 (土淵伝統さんさ)

こんにちは、古澤です。前回から続く盛岡さんさネタということで、私が書きます (^^;;

盛岡さんさ祭りは 8/1~8/4開催ということで、太鼓や踊りの練習がとても盛り上がっています。前回は盛岡さんさは鬼退治の末に三ツ石神社の周りで踊ったものとご紹介しましたが、今回は地域で踊られている伝統さんさを 1つご紹介したいと思います。

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岩手県盛岡市土淵には、神山神社と呼ばれる神社があります。土淵という地域は、盛岡市の西端にあたり、秋田街道に接しており、古くからある農村地域です。写真では分かりにくいかもしれませんが、神社の右隣には社務所や広間もあり、今でもこの地域では大事に使われています。

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神山神社は盛岡の民話にも登場する神社で、その民話を少しご紹介したいと思います。

殿様の大蛇退治

昔、南部の殿様重直公が現在の盛岡市土淵の辺りに狩りにおいでになり、山伏の泉寿院の屋敷にお休みになりました。

狩りの用意を整えていますと、静かな荒野をつきやぶるように「ふう、ふう」と異様な音がします。
不思議な気味の悪い音に驚いた殿様は、何の音かと尋ねました。泉寿院は「近頃北野の谷地に大蛇が現れ、村人を悩ましている。そのいびきに違いない」と申しあげました。殿様は「南部を恐れぬ不敵な大蛇め、予が退治してくれよう」 と鉄砲を手に北野にむかいました。

春の陽気にさそわれた大蛇は、谷地に横たわっていびきをかいておりました。
ねらいを定めた殿様が「世にまれなる大蛇め」とドンと一発撃ち込むと、大蛇は火を吹いて空に舞い上がり、7箇所にちぎれ飛びました。この世のものとも思えぬ大蛇の最後に、殿様は城にかけもどり、災難を恐れて城中に弁財天を祭り、大蛇の成仏と国土の平安を祈りました。里人は、大蛇の頭の落ちた場所のまわりに御堂を建立して大蛇の霊をとむらい、里の平安と家内の安全を祈って祝いました。

殿様の大蛇退治によって始まった神社は、はじめは巳山神社、のちに神山神社と書かれ「みやま神社」と呼ばれています。

毎年 8/7は神山神社の例大祭が行われています。御祭神は少彦名命(すくなひこなのかみ)で、大国主命(おおくにぬしのみこと)と共に国土を開拓した神とされています。例大祭では、神社への奉納のほか、子供たちによる角力大会、伝統舞踊(神楽)、さんさ踊りが行われています。他にも、境内には力石が置かれ(その脇には手水鉢も!)、江戸時代から明治にかけて力自慢の行事が行われていた名残が残っています。

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神楽はまた次回にご紹介することにして、夜に行われる伝統さんさをご紹介したいと思います。

例大祭では、一通りの式典が終わり夜になると、神社の前・境内の中央に太鼓を持った人が集まり、それを囲うように踊り手が輪を作ります。そしてリズミカルな太鼓の音とともに踊り手が舞います。また、その輪を太鼓と踊り手が入れ替わったりして、躍動感のあるさんさに繋がっていきます。

動画では、開始直後、2分2秒、05分32秒、10分55秒で 4曲を載せています。それぞれでリズムや踊りが違いを楽しんで頂けたら嬉しいです。そして皆様は、どれがお気に入りになったでしょうか。


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今年の神山神社の例大祭は、2013.8.7 の 12:00 – 21:00 です。角力大会や神楽、演歌(カラオケ)や出店などが出ています。非常にゆったりとしたイベントなので、浴衣を着て一日中おしゃべりをしながらのんびりと境内で過ごすような、そういう古風な感覚で遊びに行くと良いと思います。